週末醸造家としてのスタート
名前の「デ・ランケ」はフラマン語(オランダ語の方言)にて「ホップが支えを伝って伸びる際に描く姿(らせん)」を指します。今はストライセ醸造所が借りているデカ醸造所を借りて醸造をしていましたが、エノー州ドッティニーに自らの醸造所を建設して週末に醸造を行うようになりました。ビール醸造を趣味で始めた、冷蔵機器を販売していたニノ氏と税務署職員のギド氏が二人で行う週末醸造所。今では世界のビール評論家やビールファンを唸らす味わいを常に作り出しています。辛口で知られるビール評論家のティム・ウェブ氏も唯一ブロンドビールで彼のビールに五つ星をつけています。ニノ氏はやっと会社を退職。それまでは醸造所(週末)への設備投資(本業)のために平日に仕事(副業?)をしていました。
生のホップをそのまま使用
通常のほとんどの醸造所はペレットと呼ばれるホップを圧縮した錠剤のような物を使用しますが、デ・ランケ醸造所は近隣のポペリンゲ産の生のホップをふんだんに使用することがこだわりであり、その中でも「グーデンベルグ」はドライホッピングという発酵中もホップを漬け込むという手間隙をかけて行います。そのドライホッピングも他社と違い、取り扱いやすいようにバックの中にホップを入れるのではなく、タンクにそのままホップを投入します。
「ホップの花に含まれるタンニンが重要なんだ。ペレットを使うのは簡単だけど、質を下げるような事は何があってもやらない。じゃないと日本のみんなが飲んでくれなくなるでしょ?」とよく微笑みかけています。
ランビックのブレンダーとして
彼らはランビックの優秀なブレンダーとしても知られ、以前ローデンバッハ醸造所から酵母をもらって作ったビールに自分達で継ぎ足しながら出来る酸味あるレッドビールをベースにジラルダン醸造所ランビックとブレンドして、キュベ・デ・ランケ。レッドビールにチェリーを加えて熟成させたものとジラルダン・クリーク(チェリー)をブレンドしてボトリングしたデ・ランケ・クリークやなど、ビール愛好家、そして小規模醸造所達のあこがれの的となっています。