ゴールデンエールとは
ゴールデンエールとは多くがストロング・ゴールデンエールのことを指し、
簡単に言えば、高アルコール度数の金色の上面発酵ビール(エール)を指します。
アルコールは7.5~9.5%の物が多く、
高アルコール対する飲みやすさから残酷でシュールなブランド名が多くなっています。
トラピストビールや修道院ビールのトリプルと色合いや初期比重、アルコール度が近いものとなっていますが、トリプルはゆっくりと味わいながら飲むように味わいが設計されておりその点に大きな相違があります。
このゴールデンエールはビール評論家、マイケル・ジャクソン氏が自書”The Great Beers of Belgium”で分類し、日本でもよく使われていますが、
マイケル・ジャクソン氏最後の著書となったの”The Great Beers of Belgium第5版”ではこの分類はなくなり、
Wicked Beer という新しい分類ができゴールド色以外のストロングエールもこの分類に入るようになりました。(実際、ピラートとグーデン・ドラークが一緒に紹介されています。)しかし、ビールの色が違う物が一緒に分類されると私達のようなビール愛好者ならいいものの、ベルギービール初心者の方にはまぎらわしくわかりにくい物であると考え、あえてゴールデンエールとして分類させていただきました。
代表のゴールデンエール「デュベル」と「デリリウム・トレメンス」
ストロング・ゴールデンエールの代表「デュベル」と「デリリウム・トレメンス」
ゴールデンエールを説明する上でこのビールの説明は欠かせません。
このビールを醸造するモルトガット醸造所はモルトガット一族によって経営されるファミリーブルワリーです。
第2次大戦よりも前の時代です。世界中が大量生産のピルスナーが広がる中でしたが、イギリスの酵母を使ってエールを試作してた時、モルトガット氏の友人に飲ませた所、飲み口のよいビールなのに高アルコールでつい酔っぱらってします。
「まるで悪魔(DUVEL)のようなビールだ、、、」
そして、このビールは世界一魔性を秘めたビールとして世界中で愛されるようになります。(詳しくはデュベル・モルトガット醸造所をご覧ください。)
「デリリウム・トレメンス」はラテン語で「アルコール中毒による幻覚症状」というビール名。
このビールを飲むと頭の上にピンクの象、踊るワニがくるくる回るという事から来ています。ビールが出来上がったもののラベルがなかったためデリリウムカフェの父でもあるジョン・デ・ラート氏は当時夏にアルバイトで醸造所を手伝っていた青年に「ビールを2csあげるからラベルを描いてこないかと?」聞いた所快諾。彼が描いてきたのがピンクの象であった。
ジョン・デ・ラート氏も遊び心あふれる経営者であり、
醸造所のあるメレの町の住民たちと「ピンクの象のブラザーフッド」を結成して世界中にこのビール文化を広めるだけでなく、毎年、8月の第三土曜日小便小僧がコスチュームを来て、なんと小便が「デリリウム・トレメンス」となるのです。
彼は息子のアラン・デ・ラートに醸造所を譲った後にもう一つの夢、デリリウムカフェの出店と世界展開を開始します。
グラスの傷
「デリリウム・トレメンス」と「デュベル」のグラス底にはそれぞれ「象」と「D」と彫ってあり、これがシャンパングラスと同様にグラスの下から泡を立て、ビールの泡を守るようにできている。