オード・ベルセル醸造所訪問記

今日はOud Beersel(オード・ベルセル) 醸造所をご紹介。こちらは1882年創業の老舗醸造所だ。

2002年には一時閉鎖を余儀なくされてしまい醸造を中断しているのだが、その後、2005年にGert とRolandという二人の親子によって買い取られ、素晴らしいビールを世に送り出している。彼らの造ったビールはいくつもの賞を受賞しているそう。現在こちらでは、購入した原酒を自社にて発酵、ブレンド、製品化する、いわゆる「ブレンダー」を行っている。いくつかのランビック醸造所から樽で買い付け、自分でブレンドするブレンダーは、かつてのベルギーには多くいたそうだが、最近は少なくなっているとか。。

オード・ベルセル醸造所があるベルセル村はとても小さく、のどかな感じ。ブリュッセルからは車で約30分、この付近はゼネ川(Zennevallei)という川が流れていて、ランビックはこの川付近で造られるのだ。この川に生息する野生酵母(ブレタノマイセス系)がランビック造りに欠かせないからだ。

醸造所は小さくて分かりにくいが、ビールの樽と「Oud Beersel」という黒い看板が目印。入ってすぐはビールショップになっていて、その奥に醸造所がある。

 

英語のツアーを隔週の土曜日の12時半から行っていて、予約なしでの訪問が可能。私が行った時は、約20人の世界各国からの参加者がいた。みんなビールオタクのような雰囲気…(笑)。

ツアーはテイスティングをしながらのスタートだ。熟成庫のようなところで、若いストレートランビックを飲みながら醸造所の歴史や、醸造方法について話を聞く。冷却、煮沸、ホップ添加、そして樽洗浄の工程説明を聞いたら、お目当てのテイスティングタイム。2階の小さなバーで頂く。

私が飲んだのは写真左のOude Kriek(アルコール6.5%)。ランビックにチェリー(アメリカンチェリーのようなもので、日本でいうサクランボとは違うもの)を漬け込んで造ったビールだ。第一印象は、まず酸っぱい!第二印象で、ほのかにチェリーの香りと甘みが出てきて、口の中でシュワシュワとチェリー風味の泡が広がっていく。

2杯目はBersalis Kadet(4.5%)。印象は…、Oud Kriekを飲んだ後だからか何だか炭酸水を飲んでいるような爽快感。こちらはランビックではなくエールですが、軽いのどごしでラガーのような不思議なビールだった。

この他にもOude Geuze(グーズ)、Framboise(フルーツランビック)、Bersalis Triple(エール)、bzart Lambiek (珍しいスパークリングランビック)、bzart Kriekenlambiek(スパークリングフルーツランビック)などがあり、1階のショップで購入可能。

 

新しいものを取り入れつつも、ベルギーの伝統を守っていっている姿は思わず応援したくなってしまう。生産者と消費者の距離がこんなに近く、生産者の話を聞きながらビールを飲めるのはベルギーならでは、だ。

  • 【Oud Beersel】
    住所:Laarheidestraat 230, 1650 Beersel (ブリュッセルからは車で約30分)
    Tel:02 363 35 80
    予約:不要
    見学スケジュール:毎月隔週で12時半から英語ツアー有り。
    スケジュールは以下のURLから確認出来ます。
    HP: http://www.oudbeersel.com/
    料金:ツアー(最初のテイスティング含む)+最後のテイスティング1杯⇒7ユーロ
    ツアー(最初のテイスティング含む)+最後のテイスティング2杯⇒9.5ユーロ
    ショップ営業日:9:00~14:00の隔週の土曜日(但し祝日は休み)

鍵谷記

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